= 町にクマがやってくる =
  最近、クマが人里に現れるというニュースを頻繁に耳にする。本州ではツキノワグマ、北海道ではヒグマが山から下りてくるらしい。クマに遭遇する事件は日本だけでなくカナダでも起きている。その数は年々増えているようだ。

  バンクーバーのノースショアは、前が海、後ろが山に挟まれたところにあり、山の中腹まで住宅が立ち並んでいる。裏山は森林に覆われ、クマもたくさん生息している。町に現れるこのあたりのクマはブラックベア−(黒クマ)だ。もっと体の大きいグリズリ−ベア−(灰色グマ)は山奥に住んでいて、人里にはやって来ない。

  ブラックベア−は餌を求めて人間のテリトリーに侵入する。人家の庭の木の実やゴミ箱も漁る。中には台所まで入ってくるクマもいる。

人家に現れた黒クマたち
  餌が不足する理由はいくつか考えられる。山火事や異常気象などの天災による場合。森林伐採や環境汚染などの人災による場合。そして、それらの複合による場合だ。

  また、山登りをしたときに食物になるようなゴミを捨て去ったり、キャンプやピクニックで生ゴミをきちんと処理しなかったことも大きな原因だろう。木の実や小動物の変わりになる人間の食べ物の味をクマに覚えさせてしまったのだ。

裏庭の木の実をとって食べるクマ
  あれは4年前の4月の中頃のことだった。少年野球の試合をしているとき、誰かがクマがいるから避難しろって叫んだ。野球場のそばの家の庭にクマが2頭入り込んだらしい。すぐに子供達をダッグアウトに入れ、周りを警戒した。幸い何も起こらず、しばらくしてゲームを再開した。クマは人が大勢いるところには出てこない。

  クマは好き好んで人を襲うことはないらしい。クマのほうも人間を恐れているそうだ。ただ、急に出くわしたときや威嚇したりすると攻撃してくることもあるという。

ホッキョクグマ
  もし、クマに遭遇したらどうすればいいのか。

  遠くのほうに見つけたときはゆっくりと迂回し遠ざかること。石を投げたり大声を出して脅かさないようにする。けっこう距離があると思ってもクマは人間より速く走ることができるので侮ってはいけない。

  クマが近づいてきたら、目を離さず、ゆっくりと後退すること。決して走ってはいけない。犬と同じように走ると追いかけてくる習性がある。

  間近に迫っていて、クマが攻撃をしてきたら。。。だら〜っと死んだふりしてもほとんど効果がないらしい。首を狙って噛むことが多いので、手を首の後ろにまわして守り、丸くなってじっとしていると助かるやも知れないそうだ。ある統計によると、死んだふりをして助かった人より反撃して助かった人のほうがはるかに多いとのこと。獣を目の当たりにして死んだふりをするのもかなり勇気のいることだ。あなたならそんなことできる?

  ブラックベア−は木登りがとても上手い。ということは木に逃げ登ってもダメってこと。グリズリ−ベア−は体重が重くて木登りは得意じゃないが、立ち上がると3メートルはあろうというデカさ。あなたは4メートル以上の高さまで登らねばならない。サルの血を引いていなければそんな所までひょいひょい上がれたもんじゃない。

  秋はクマたちにとって長い冬眠生活のために腹ごしらえを十分しておかなければならない。特に母クマは冬眠中に子供を産むため栄養をしっかり蓄えておく必要がある。冬眠が終わって春先に出てきたとき、体重が40%も減っているそうだ。オスでも30%減。ひょっとして「冬眠ダイエット」なるものが流行るかもしれない。。。しかし、春には今までの栄養不足分を取り戻すため餌を漁りまくる。人里にふらっと現れるのも無理もない。最近のクマは自然の木の実よりピザのほうが好きらしいから。

  余談だが、ポーラーベア−(ホッキョクグマ)は冬眠しないんだって。いつも冬だから、年がら年中冬眠ばかりしていられない。そのためふさふさの毛皮を着ているのだ。「かまくら」の作り方をしっていたら冬眠もするのかもしれないが。。。

  最後に取って置きのクマ撃退法をお教えしよう。それはアイヌの伝説によるのだが、クマに襲われたら人様の大事な部分を見せるとクマが逃げるそうだ。どう?試してみる?
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