留学に関しての後見人といえば、「留学先で留学生の親代わりとなる人」のことです。未成年者のカナダ留学では後見人が必要です。後見人はカナダ国籍か永住権を持つ19歳以上のカナダ居住者であることとなっています。学区によってはこの年齢を25歳以上と規定しているところもあります。
留学生の親御さんは、「後見人は親の代わり」となるのですから、日常、親が自分の子供にするようなケアを後見人がしてくれるのだと期待されるかもしれません。
しかし、実際には後見人は重大な非常事態が起きたとき以外ほとんど何もしません。それは後見人が日常の世話までしなければならないとは明記されていないからです。特別に日常のサポートをしてくれるようサポート費用を支払っている場合は別ですが。
下の英文はカナダの移民局が後見人書類のひな型として提示している文書の中の一部で、後見人になる人が宣誓する部分です。
By signing this custodian agreement, I certify that I reside within a reasonable
distance of the student’s intended residence and school and will be able
to fulfil my obligations as a custodian in the event of an emergency.
(日本語訳)この後見人証明書に署名することによって、後見人は留学生が滞在する家や通学する学校に妥当な距離範囲に居住していることを証明します。そして、非常事態が発生したときに後見人としての義務を遂行します。
後見人になれない人
「後見人はカナダ国籍か永住権を所有する者」なので、日本在住の留学案内業者(エージェント)は後見人にはなれません。それから、「妥当な距離に住んでいる者」ですから、日本だけでなく、例えばトロント在住の人がバンクーバーに留学する生徒の後見人にはなれないということです。
実際に後見人になっているのは、教育委員会や学校の関係者、現地の留学エージェント、それからホームステイのホストなどです。このうちの教育委員会や学校の関係者が後見人になっている場合を示してみましょう。
教育委員会の関係者が後見人になる場合
ある留学サイトに教育委員会の国際教育プログラムの責任者が後見人を引き受けてくれるので安心と書いてありました。しかし、実際には教育委員会関係者が後見人になっているからといって、留学生が何の心配もなく留学生活を送れるというわけではありません。
ある教育委員会では国際教育部門(留学生用の部署)の長が学区内すべての留学生の後見人を引きうけています。この学区には世界各国からおよそ300人の留学生がいて、そのほとんどの生徒の後見人になっているのです。これだけの留学生がいて、「親代わりとなって留学生の世話する」ことができるのでしょうか。
具体的にいえば、病気になったので医者に診てもらいに行く、携帯電話の契約に連れて行く、銀行口座を開設しに行くなど、日本の親がするような日常の世話はしてくれません。また、学業が不振だからと
いって担当の先生に会いに行ってはくれません。教育委員会関係の後見人は留学生が行方不明になったり、交通事故にあったり、また手術が必要なときなどに医者にそれらを実行してもらうために許可を与える署名をするくらいです。こういった非常事態が起きたときにのみ出動するのです。後見人がこれぐらいのことしかしてくれないことに不満を持っても仕方がありません。「非常事態のときに後見人としての義務を遂行する」と書かれているのですから。
教育委員会や学校の責任者がなる後見人は、留学生が非常事態に陥ったときしかお世話をしないのです。
教育委員会の責任者が後見人になるのには理由があります。それは彼らが後見人になったほうが留学生を受け入れるための事務処理がスムースに行くからです。
というのは、後見人は留学生がビザを取得することにも関わるからです。言うまでもないことですが、留学するには教育委員会や学校からの入学許可を得るだけでなく、カナダでの滞在許可である「就学ビザ」(Study permitという)を取得しなければなりません。この就学ビザを得るために後見人書類が必要なのです。通常ビザ申請をする時点ではホームステイ先は決まっていないので、ホストが後見人になるわけにはいきません。ですから、便宜上、教育委員会の責任者が後見人書類を作成するために後見人になっているのです。
もし、ホストが後見人になるのであれば、ホストの名前で後見人書類を作成しなければなりません。早くにホストがわかっていれば問題ありませんが、ホストが決まるのは7月や8月になる場合が多いです。ホストが決まってからビザ申請をすると9月の入学に間に合わなくなります。それにすべてのホストが後見人を引きうけるとは限らないのです。
教育委員会関係者がなる後見人は留学生の日常のお世話をしないという理由がおわかりになったと思います。
それでは、教育委員会や学校関係の後見人がしてくれない日常のことはいったい誰が面倒を見てくれるのでしょうか。そのことは次の機会に述べようと思います。
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